「行動経済学」という学問は、種々の心理学的効果を研究しています。過去何度か取り上げてきました。今回、表にまとめてみましたので、参考にしてください。右欄に有効な利用方法を記載しておきます。
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p.1 事例のところを見ていただくと、その効果の意味合いのイメージが付きやすいと思います。慣れ親しんだ「おふくろの味」は、大人になってからも残っていますね。「ザイオンス効果」と言われてもピンときませんが。先日、壮行会がありましたが、「とりあえずビール」という「同調効果」は、無意識のうちに働いています。
p.2 「返報性の原理」の事例として、スーパーの試食コーナーがあります。以前、「Give Give and Give ・・・」で「give」をお勧めしていますが、「返報性の原理」を良い方向に利用して「give(してあげる)」ことが、いつかは「いいお返し」があるかもしれません。 また、ヒトには「一貫性の原理」があります。この心理をうまく使う仕事のやり方があります。例えば、あるルールを徹底させたいが面倒なので、なかなか普及しないことがあります。そんな時、先ずは容易にできるルールから始めて、定着してきたら少しハードルを上げていくのです。結構上手くいきますよ。「ウィンザー効果」で、第3者経由で褒めてあげるというのも効果ありますよ。
p.3 将来の利益より、目の前の利益を優先する「現在志向バイアス」は、「あるある」ですね。現状変更できない場合は、短期の目標設定にするとよいそうです。あるいは「2ミニッツ・スターター」というように、2分間だけ先ずやってみることが大事だそうです。 損失・保有・イケア効果は、似たような効果です。保有あるいは愛着のものはなくしたくないという心理が働きます。オヴァシアンキーナー効果とエンダウド・プログレス効果も似ていて、一度始めたことは、最後までやり遂げたい心理状態になります。
p.4 「後悔の回避」は、「やらなきゃよかった」と「やれば良かった」の2通りがあります。前者は、その際のダメージは大きいですが、直ぐ忘れます。後者は、いつまでも「やれば良かった」の感情が残ってしまいます。やらないよりはやっておいた方がよいと思います。
ヒトには、いろんな心理状態が存在します。視野を広く、自己を冷静に見つめ直すなどの対処法が必要ですね。