引き続きTOCの話です。今回は、図で説明します。
資料はこちら → TOCその7
p.1 製品PとQを製造する工程にA工程から部品が供給されます。各々の工程の生産能力を黒字で記入してあり、工程へのインプットは緑字、その工程での在庫はピンク字で記載してあります。左は、PとQの製造ラインをフルに用いた生産で、D工程へのインプットは、B2とC工程の生産能力に比例した量に分配しています。右側は、P工程を休ませて、Q工程のみで製造する制約生産の場合を示しています。在庫=インプット−アウトプットで計算し、インプットはその工程の生産能力量が入ってくるものとし、アウトプットは後工程の生産能力量としています。フル生産では、製品Pが3.5個/時、製品Qが2.5個/時 製造可能です。制約生産では、製品Qが5個/時 製造可能です。
p.2 製品Qを300個受注受けた場合、フル生産と制約生産でシミュレーションした結果が表になります。制約生産の方がリードタイムは短く、不要な在庫は解消されます。製品Pを生産する必要がなければ、そのラインは遊ばせておいた方がよいことになります。制約生産の場合、A工程はC工程で必要な数量だけ生産する必要があります。必要以上に生産すると過剰在庫になってしまいます。
p.3 フル生産から制約生産にすることにより、原材料・仕掛品及び在庫が減り、利益が増えます。セット替えが増えることなどの経費が増えることがありますが、別工程での空き時間を利用することにより、キャッシュには問題が生じません。
設備や工数が余っているからといって、過剰に生産しないことが肝要です。