「変化量の推定」を以前取り上げました。前回の有効期間の算出を、一つ式を加えることで簡単にしました。
資料はこちら → 寿命推定
p.1 問題は「ある薬剤の含量が保存温度により以下のように経時劣化します。25℃に保管した場合に含量90%以下となる期間を見積もってください」でした。前回の資料は、p.4以降にあります。
p.2 前回はp.10〜12で期間を算出しており、7.2ヶ月となりました。各温度の反応速度係数とアレニウス式を用いて求める温度の反応速度係数を算出後、2次反応速度式より有効期間を求めています。 今回は、アレニウス式①と寿命Lと時間の関係式②を用いて、反応速度係数を消去して、最下段の式を導出しています。これにより、絶対温度Tの逆数と寿命Lの自然対数ln(L)をプロットすると一次相関式となりますので、任意の求めたい温度の寿命Lを算出することができます。最下段の式は、化学的な劣化だけでなく物理的・機械的な劣化にも使えるはずです。
p.3 ①濃度が90%になる保存期間Lを各温度(40〜60℃)の反応速度係数を用いて求めます。各温度の反応速度係数は、p.10で算出しています。②絶対温度Tの逆数vs. [A] =90%となる保存期間Lの自然対数lnLをプロットし近似式を求めます。③25℃の保存期間Lは、 7.22ヶ月と算出できました。この結果は、前回の算出結果(p.12)と同等となりました。
p.4〜p.12の説明は、「変化量の推定」をご覧ください。
今回用いたExcelファイルです → 寿命推定