「氷に塩を入れると、どうなる?」という問題について、考えてみてください。アイスクリームを作る実験をしたことがあれば、思い出してください。クリームの周りの寒剤として、氷に塩を入れて温度を下げたと思います。あるいは、道路が凍らないように塩をまいて融雪剤にするということを思いついた方も居られるでしょう。塩を入れると温度が下がるので、融雪剤にならないのではないかという疑問は出てきませんか? この疑問は、昨日も紹介した下記資料の図6をご覧いただければ、解消します。
→ 水相図
氷に塩をかけると氷が融けます。その際に、周りから熱を奪うので温度が下がります。どこまで温度が下がるかというと−21.3℃です。塩水の濃度が23.3%の場合は、−21.3℃までは凍らないのです。この濃度であれば不凍液として使えるのです。 融雪剤の原理は、塩で雪が融けて水になり、凝固点が0℃以下となり凍り難くなります。タイヤも雪が水になることを助けています。 昨日同様、水−塩の状態図を眺めることにより、現象を読み取ることができ、いろいろなアイデアが思いつくはずです。塩の代わりに塩化カルシウムを使うとどうなるか? 何と、−51.6℃まで凍結防止可能になります。ただ、持続力は塩の方がよいそうです。
凍結防止剤の資料 → 凍結防止剤