リスクアナリシスについては過去にも取り上げてきましたが、定性的な話でした。リスク評価する方の経験や主観によるものがほとんどです。「リスク解析がわかる」(著者:藤川浩 発行所:技術評論社)には、定量的な手法が述べられていますので、紹介します。
資料はこちら → リスクアナリシスその1
p.1 薬物の致死量は右上の図のようにS字曲線で示され、50%死ぬポイントをLD50で表し、左上表のようの毒が定義されています。 下のグラフは横軸に菌濃度や薬物濃度の対数縦軸がリスクです。このグラフよりリスクが推定できます。この曲線を「用量-反応曲線」と呼びます。横軸2のポイントのリスクは0.21あると推定することができます。1点ですので「点推定」と呼びます。
p.2 暴露した対象に分布がある場合の推定です。放射線の被ばくは距離や風向きにより暴露量が異なりますね。左図は暴露量分布が低い方に偏っている場合、右図は右側にある場合です。暴露量分布f(x)を青線、用量-反応曲線g(x)を破線とすると、リスクRはf(x)g(x)の積分値となり赤線のようになります。右側の方が当然リスクは高くなります。
上述のように、定量的な数値を示すと、リスクアナリシスの根拠が明確になりますね。