プラスチックの特性に及ぼす短期的あるいは長期的な影響についてまとめています。
資料はこちら → プラスチック基礎その5
p.1 短期的に、温度が及ぼす影響の傾向を表にまとめています。
p.2 時間に対して変位をプロットすると3つに分類されます。ばねのように力に対して変位が比例し、力を取り去ると元の変位に戻る「弾性」、変形が時間に依存し、変位が永久に残る「粘性」、2つの性質が複合した「粘弾性」に分類されています。
p.3 長期的な影響についてツリー図にしてあります。粘弾性特性には、クリープと応力緩和があります。長期的には、環境依存の要因が多く存在します。
p.4 クリープは図のような曲線を描きます。最初のε0のひずみから徐々にひずみが増加していく定常クリープがありその後、加速クリープを経て破断に至ります。
p.5 破断時の応力を時間に対してプロットすると、応力が次第に減少する応力緩和があります。 横軸を対数に変換すると、一定温度下において応力は直線的に下降します。温度が高くなると、直線が下方に移動します。 最低必要な荷重を水平線として上述の直線との交点より耐用年数を推定することができます。
p.6 クリープ破断強度を材質毎に時間に対してプロットした図です。傾きが小さく高い方にあるプラスチックが耐用年数が長くなりますね。
プラスチック材料を用いた設計には、使用期間内で破断などが起きないことが必須です。プラスチック材料は、経時的に変化するため耐用年数を予め推定することが重要です。 本日は、クリープ現象を用いた耐用年数見積でした。