4月のオンライン新人研修が終わろうとしています。私の担当が終わりほっとしているところです。今回も初めての試みをしたので、時間が読めず緊張していましたが、無事終わりました。 そう言えば、1か月前のブログ「QCストーリー(現状把握→原因分析)」で、BラインのUCL(上方管理限界)とLCL(下方管理限界)の差がAラインより小さい理由がわかりますか? という問いかけをしたままになっていました。
資料をご覧ください → QCストーリーその4(補足説明)
p.1~3 上述のブログの資料からの再掲です。
p.4 p.2と3のグラフを並べてみました。BラインのUCLとLCLの差が異常に小さいですね。UCLとLCLは、{Xダブルバー(平均値の平均)}±{毎日のロット内のR(Max-Min)の平均値Rバー× 管理図用係数}です。 BラインのRバーはAラインの7分の1しかないので、UCLとLCLの差が小さくなるわけです。 一方、全てのデータの標準偏差σはAラインとBラインでは2倍弱しか違いがありません。これは、全体の変動(波のように上下している)が標準偏差に影響を及ぼしているからなのです。したがって、管理図で管理する前に、この大きな全変動(うねり)を無くす対策が必要になります。 このうねりは成形金型を冷却する水温の影響を受けていますので、熱交換器などで水温をコントロール必要があります。
上述の現象はどこかで見た記憶はありませんか? そうです。「PpkとCpkの違い 知っていますか?」で説明しました。BラインはPpkで管理するべき工程と似ています。 毎日のばらつきは小さいが大きな変動を伴う工程なのです。 大きな変動を改善しないと品質の変動を正しく管理できないのです。