「AIにはない思考力の身につけ方」(著者:今井むつみ 発行所:筑摩書房)に面白い実験結果がありましたので、紹介します。考えてみてください。先ずは、2ページ目は見ないで回答してみてください。
資料はこちら → AIにない思考力その1
p.1 質問は、「花瓶は〇〇(丸椅子、椅子、ロボット、テレビ)の(右・左)にあります。 A〜D について右・左を選んでください」です。直感でお答えください。
p.2 A〜Cについて、右・左を問うたアンケート結果の比率を記載しておきます。Aの丸椅子は100%右と答えます。ところが、同じ椅子でもBの背もたれがある椅子、あるいはCのロボットの場合は、左右の割合が拮抗します。自分を基準にして判断する「自己中心枠」と左右があるモノを基準にする「モノ中心枠」があります。全て「自己中心枠」で判断する方と、左右の有無で判断を変える方が居られます。あなたはどちらだったでしょうか?
p.3 駐車場に「前向き駐車」の看板がある場合、左2枚の写真のような状態があります。通常の注射の仕方は、下の写真のように、通路側を車の前にして駐車することが多いと思います。駐車場を出る場合に、出易いからです。あるいは「前向き駐車」の看板があっても気が付かない位置にあったりするとこのような停め方になりますね。上の写真は、車の向きがバラバラです。通路側に車の前方を向けて駐車する方は、①看板に気が付かない方、②気が付いていても出る時のことを考えて駐車する人、あるいは③通路側を前にすると思っている方のいずれかだと思われます。①と②が大半だと思いますが、③の方も稀にいるのでしょうね。右上の看板のように、前向きにする理由と駐車の仕方が書かれていると、ほとんどの方は間違えずに駐車すると思います。
今回、人によって判断する基準が異なることが認識できたと思います。判断ミスを防止するには、判断基準を明確にしてあげる必要があります。特に、AIに対しては、明確な指示・質問が大事です。