世の中に一定の角度を持つものがあります。今回、3つの角度について資料にまとめています。①泳いでいるアヒルや船舶の後ろにできる波紋の角度が一定、②蟻地獄のすり鉢の角度は、砂の材質で決まる、③虹が見える角度は一定 を取り上げます。各々、その角度には物理的な意味があり、計算できるようです。今までに、気にしていなかったのですが、奥が深いですね。
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p.1 ①泳いでいるアヒルや船舶の後ろにできる波紋の角度は約39度で一定です。②蟻地獄のすり鉢の角度は、砂の材質によりますが30〜45度、③虹が見える角度は、太陽の高さがどこにあっても、太陽光線に対して42度一定です。
p.2 アヒルや船舶の後にできる波紋は「ケルビン波」と呼ばれていて、約39度で一定です。これは横波と拡散波が干渉して生成します。半分の角度θは、arcsin(1/3)で算出できます。
p.3 土砂などが滑り出さない限界の角度のことを「安息角」と呼び、材質によって安息角は変化します。表に材質毎の安息角をまとめています。安息角を計測すれば、材質を推定することもできそうです。富士市からみた富士山の傾斜は29度、富士山の傾斜は、場所により異なっています(右図)。火山弾やスコリアの安息角が32〜33度程度と言われていますが、傾斜の分布図より、材質の予測ができると思います。砂時計やコンクリートの原料置場の山の傾斜も安息角になっています。
p.4 虹は空中の水滴に太陽光が当たって見えます。左上の図1をご覧ください。1粒の水滴に、左から太陽光が入射して水滴の界面で反射します。破線で示した42度の内側にほとんどの反射光が入ってしまいます。図3のように、水滴の中で反射して2方向に光が出てきます。図4では横軸に入射角、縦軸が反射角で2つの反射光について曲線が2本描かれています。反射角が42度と51度(●)の時に綺麗に虹が見えます。図2のように虹は内側と外側に2つあり、42度が内側の虹、51度が外側の虹となります。