「対話のトリセツ」(著者:黒川伊保子 発行所:講談社)を紹介します。著者は、「夫のトリセツ」「妻のトリセツ」「夫婦のトリセツ」を書かれております。この本の冒頭で、「ものの見方」として、「タテ型回路」「ヨコ型回路」を有する思考形態が説明されています。「タテ型回路」は、「目の前の景色を広く遠くざっと眺めて、特異点(こちらに向かってくるもの、危険と思しきもの、そこにあってはならないもの、見馴れないもの)に瞬時に照準が合う‥‥その特異点に意識を集中して、いち早く迎撃態勢に入る機能」と説明されている。この状況は、古代であれば狩り、現代であれば例えば野球野手がバットに当たる音で、ボールの落下点に移動する状況ですね。「ヨコ型回路」は、「身の回り半径数メートル以内を綿密に感じ取って、針の先ほどの変化も見逃さない機能」です。横方向の回路が活性化しているとき、脳は五感からの情報を素早く統合して、身の回りを満遍なく感じ取ろうとします。わずかな空気の揺らぎを感知し、蛇や虫の気配を逃しません。感じとる右脳と潜在意識の左脳を連携する回路が働く必要があります。「タテ型回路」が対外、「ヨコ型回路」が対内に意識を集中しています。両方を機能することは難しいので、2つの機能を持つ人がペアを組むと良さそうです。業務においても、タテとヨコの人が偏らないチームがベターだと思います。