家庭菜園や庭の木の剪定を引き継ぐ必要が出てきたので、このところいろいろ勉強しています。YouTubeに「剪定」に関する動画がありましたので、忘れないようにまとめてみました。植物の性質や植物ホルモンの話は面白いです。オーキシンというホルモンは、枝の先端にある芽で生成して、枝を上に伸ばすために、水分・栄養を十分供給してもらう根を増やす指令を出すリーダー的存在であり、サイトカイニンは、先端の芽を切断すると、子孫を残そうと芽を出すように働くそうです。「サイトカイン」とは別物です。植物の中では、これらのホルモンがバランスをとっています。これ以外にもタメになる話題がたくさんありますので、是非、動画をご覧になってみてください。
動画はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=4Vpp72DYHMg
資料はこちら → 剪定
p.1 木は主幹から主枝が出てきますが、長さや太さにより、長い枝・短い枝及び超長い枝に分類されます。左から2列目の真ん中の絵のように、三角形のクリスマスツリーの形状が理想だそうです。上の絵は、木を上から見た絵で、主幹から3方向に主枝が伸びています。下の図は、2方向に主枝が伸びています。右の2列は、枝が1年目から伸びていく状態を示しています。そしてカットの位置を示しています。
p.2 剪定する際には、主幹から伸びる主枝を決めます。水平から40度以上の枝を選ぶと横に広がらないようです。ただ、木は上に伸びようとする性質があるため、垂直に立つ枝は後々高くなり過ぎるので好ましくありません。
p.3 動画の作者は、主幹を王将、主枝の中でも重要なものを金、次を銀と喩えています。真ん中の写真のように、金の主枝は互い違いにして50cm以上離します。銀の主枝は最初の金の主枝から1m離します。金の主枝を同じ場所から出すと王将の主幹に栄養が行かなくなり、細くなってしまうので、注意が必要です。
p.4 左上のように、養分は上に行く方を優先しますので、左に伸ばそうと思う場合は、上にいく枝の根元で切断します。伸ばしたくない枝は、分岐点ギリギリで切断しないと、残したい枝の一部まで枯らしてしまうことがあります。切断すると、切り口にカオスが出てきて切り口を自己修復します。
p.5 剪定の事例です。赤の枝は残し、青の枝を切断します。
p.6 狭い場所で木を育てる場合は、「根域制限」を行います。枝と根は一対一対応していますので、枝を剪定しても、根がある限りまた枝を伸ばします。根が広がらないように直接切断したり、水だけ透過する防根シートで包んだり、遮蔽物で囲うことで、地上の枝の生育を制限することができます。木の表皮を「環状剥離」により一部剥がして、水や養分の供給を断つ方法もあります。ただし、全て枯らしてしまう可能性がありますので、注意が必要です。以前、木の皮を全部剥がす「立ち枯れ」をして、森の木を間引く作業をしたことがあります。
p.7 植物の中では、自らを大きくする「栄養成長」と子孫を残す「生殖成長」がバランスをとっています。前者の際に、オーキシンが働き、後者ではサイトカイニンが働きます。通常、オーキシンは先端の芽で発生しますが、枝の下に溜まってしまうと、サイトカイニンが活性化してして、上側に芽を出してしまいます。
p.8 柿は、先端の1〜4の芽だけに花が咲き実がつくことを考えて、剪定します。キウィは、剪定後、50cm間隔で棚に括り付けていきます。
p.9 ミカンのような常緑樹は、剪定は全体の2割ぐらいにしておかないと木が弱くなってしまいます。落葉樹は、根に養分を蓄えていますが、常緑樹は葉にも養分を蓄えているからです。