トピックス 品質工学

低く目安定はダメ

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そもそも品質工学第59話〜第64話まで、冷却フィンに関するシミュレーションを用いた実験を説明しています。できるだけ実施データを用いて、実際に手を動かして確認してみました。実験データの開示はないので、主にシミュレーションデータの取り扱いについて、分かる範囲で資料にまとめてみました。動画をご覧になりながら、ご確認ください。

資料はこちら → 制御因子(59~61)

p.1 第59話「制御因子と直交表への割付け」の内容です。左上のように、実験前目的、機能、誤差因子、計測及び制御因子を明らかにしておくことが実験よりも重要です。ここを間違えると、求める結果になりません。制御因子設定の際には、交互作用を示す因子は、どちらか一つに絞るか、水準ずらしを利用する必要があります。今回、フィン厚さ間隔は同時に成り立つので、厚さを外します。制御因子がどうしても不足する場合は、エラー項としておきます。 黄色の編みかけ部分は、この動画内で、しーちゃんが述べている言葉です。「あるある、そうそう」の内容です。「設計者にとって、評価に自由はないが、制御因子には自由がある

p.2 第60話「結果が測定と違う」です。L18直交表の場合、L1〜L3の行に各制御因子の水準1と水準3の極端な場合がありますので、この三行の結果をプロットして様子を見るのが良さそうです。今回の事例では、N1とN2の直線が信号ゼロの場合に切片を持ちます。理想は、縦軸の特性値はゼロですね。この「悪さ加減」に着目しなければなりません。この事例では、環境温度が影響を与えているとして、データより室温25℃を差し引くとほぼ原点を通るグラフとなりました。ただ、このグラフを見ると、30℃の空気を流した方が20℃よりも放熱温度分が多くなっています。冷却フィンは仕事をしているはずなのに、おかしい結果になっています。この動画中で、「低く目安定は仕事をしていない」という話が出て来ました。研修時に、SN比が良くても感度が無ければ意味がないと説明していますが、このことですね。注意しましょう。業務姿勢も低目安定はダメですよ。高い目標を持って仕事しましょうね。

p.3 流す温度により横軸の信号が変化するとして、排気温度からも流す空気温度を差し引きます。真中のグラフのように描かれます。理屈に合っていそうです。低い空気の方が仕事をしている結果になっています。誤差因子毎に信号因子が異なりますので、有効除数、線形式も変えます。2rをr1とr2に分けて計算します。SN比ηも当然変わります。有効除数は、信号因子の総エネルギーを意味しています。

今日はここまで。明日、これらの式を用いてデータを解析する方法を説明します。

 

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