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不確かさ?

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2019年版のJIS規格を見ると、校正の定義の中に「不確かさ」という言葉が登場します。2000年版では、「不確かさ」は出てきていません。定義を読んでも意味不明なので、少し勉強して、まとめました。

資料はこちら → 不確かさその1

p.1 2019年版と2000年版のJIS規格での「校正」の定義文です。

p.2 「不確かさ」の定義も書かれています。「~値の広がりを特徴付けるパラメータ」と記載されています。これを読んでも、何のことやらわかり難いですね。「広がり」は「ばらつき」のようですが。「不確かさ」には大きく分けて2つのタイプがあるようです。先ずは「タイプA」です。「データを取って、測定値から計算で「不確かさ」を推定する方法」と説明されています。下図をご覧ください。標準偏差σの母集団黒線の分布、そこからサンプリングした標本の平均値の分布青線です。この青の分布の標準偏差sのことを「標準誤差」と呼ぶことは、以前のブログ「英語の表記の方が分かり易い」で説明しました。標本の平均値と標準誤差を用いて母集団の平均値を推定することができます。母集団の平均値がわかれば、真値からのズレ(偏差)も算出可能となります。校正では、「測定値のばらつき標準偏差)」よりも、平均値のばらつき標準誤差)の方が重要になります。この標準誤差が「タイプAの不確かさ」になります。

p.3 脱線します。箱の中に、9.8g、10.0g及び10.2gの玉が入っています。箱から1個取り出して値を記録後、戻します。3個ずつの重量の平均を都度算出することを30回行い、平均値のヒストグラムを描いたものが右下図のオレンジ色の棒グラフです。の棒グラフは、抜き取った玉の重量のヒストグラムです。3種類の重さなので、ほぼ同じ頻度で取り出しています。青とオレンジの分布の平均値と標準偏差、標準誤差を左下表に記載しておきます。計算式は表の下です。今回平均値は30個算出しましたが、増加するほどヒストグラムは鋭くなっていきます。標準偏差と標準誤差のイメージ持っていただけたでしょうか?

p.4 「タイプBの不確かさ」は、「測定が難しい、または測定できないものに対して、測定以外の情報からばらつきを推定する方法。」と説明されています。校正する際の環境であったり、校正に用いる標準物質の「不確かさ」を考慮する場合に用います。その際に、影響するパラメータの特性に合う分布を用います。校正する室温を考慮する場合は、矩形分布を用います。矩形分布(一様分布)場合の「不確かさ」はa/√3で算出するように決められています。室温が18~22℃になる場合、2/√3=1.155℃が「標準不確かさ」となります。メスシリンダを用いて校正する場合は、メスシリンダ校正証明書の「不確かさ」を用います。校正証明書の「不確かさ」は、正規分布を用いているので、校正証明書の不確かさが3.0mL(=U)の場合、2(=k)で割って、標準不確かさ=3/2=1.5mLとなります。

校正する際は、タイプAとBを両方考慮することが必要になります。事例は、明日取り上げます。

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