このところビジネス本や技術的な本を読む機会が多く、読みたい本が積読状態になっています。夏休みも近いので、少しずつ積読を解消していきたいと思います。先ず「ぼけますから、よろしくお願いします。」(著者:信友直子 発行所:新潮文庫)を紹介します。ノンフィクションで、著者のご両親の記録であり、映画化もされたようです。88歳の認知症のお母様と96歳の耳が遠いお父様、そして遠く離れて過ごしている映像クリエイターの著者の実話です。私の家族あるいは自分自身も高齢化になってきていますので、見に積まされる話です。 料理が好きなお母様が認知症になり、使い慣れた台所に居続けたり、コンビニ弁当を買ってくる時も、弁当だと分からないように布袋に入れて持ち帰ったりします。要介護認定の担当者のヒヤリングでは、認知症でないことをアピール(あれもできる、これもできるから問題ないなど)します。見知らぬ人との対面の機会があると、お化粧をして着飾ります。著者とお父様が話をしていると、自分が除け者にされたと感じになり、「私はもう死んだ方がええんじゃ。殺してくれ!」とまで暴言を吐くようになるようです。 こんな体験後、著者は介護のプロに相談して乗り越えていきます。ヘルパーやケアマネージャーの助けを借りて、著者もお父様も心のゆとりが産まれてくる様子が描かれています。自分たちだけで悩まないことが重要であることを教えてくれます。そして、「認知症は、神様の親切かも」と著者が言っています。ポジティブに意識を変える必要がありそうです。お父様は高齢であるにもかかわらず、介護の勉強をしたり、お母様の身の回りの世話をしたり、素晴らしいお方です。自分が、その立場になった時、果たしてできるだろうか?