先週、品質工学で用いる望目特性のSN比について説明しました。本日は、動特性のSN比について静特性(望目特性)と対比して説明します。
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左図の上が静特性で、3つのデータとその平均値mを描いています。下図は動特性で、入力信号Mの増加に伴い、計測値が増加しています。この直線が平均の傾きβとします。直線の右肩に分布図がありますが、傾きがこのようにばらつくことを示しています。 次は、対比表をご覧ください。静特性と動特性に登場する変数を対比させました。動特性の有効序数は信号Mの平方和rですが、静特性のデータ数nと同じ意味としてみてください。同様に、線形式Lは、静特性のデータyとみなしてください。静特性においてM1=M2=M3=1とおけば、L2と(Σy)2は同じ式になります。Smの分母をn、Sβの分母をrとします。したがって、静特性のSN比の式において、対比表の動特性の文字に置き換えれば、動特性のSN比の式が導かれます。 このような対比表は、類似性を用いた拡張や統一的な考え方を保つために有効な手段です。