今までもトランジスタの話は読んだりしてある程度は理解してきましたが、使い方や仕様については理解できていませんでしたので、まとめてみました。
資料はこちら → 電子工作その2
p.1 NPNとPNP型トランジスタの記号及び電流の流れる方向を記載しました。トランジスタは、スイッチングと電流増幅の機能があります。NPN型の場合は、ベースからエミッタへ、PNP型の場合はエミッタからベースで小さな電流を流すとコレクタ、エミッタ間に大きな電流が流れます。
p.2 実際の素子では端子が出ていますが、どの端子が何かはデータシート等でご確認ください。ECB(エクボ)で覚える方法もあるようですが、確認した方が間違いがありません。
p.3 フォトトランジスタを用いた赤外線リモコンのチェッカーは、右下の配線で作製可能です。フォトトランジスタにはベースがなく、受光してベース電流及びコレクタ電流が流れます。 この電流が2番目のベースに流れ、電流を増幅して、LEDを点灯させます。フォトトランジスタは赤外線だけに応答させるために、黒で塗りつぶしておきます。
p.4 ベース電流を増加させるとコレクタ電流も増加しますが、増加しなくなる飽和領域となります・この時、コレクタ電圧は減少していき、ほぼゼロとなります。 この性質は、次ページの反転回路に応用できます。
p.5 「トランジスタの反転回路」の説明です。コレクタ電流が飽和になると、コレクタ電圧はほぼゼロになります。ベース電圧がHレベルの時、信号1とすると、コレクタの出力電圧Lはゼロになります。ベース電圧がLレベルの場合は、出力がHの1となります。 この機能をトランジスタの反転と呼びます。この機能を用いてLEDを点灯させたり消灯させたりする回路を作ります。先ず、左下の図です。黄色のLEDを点灯する回路です。スイッチを閉じるとLEDが点灯します。真中の回路図は、プッシュスイッチとトランジスタを加えています。スイッチを閉じると黄色のLEDが点灯し、プッシュスイッチを押すと、ベース電流が流れ、飽和領域になるようにしておくと、コレクタ電圧がゼロとなり黄色のLEDは消灯します。一方赤色のLEDは点灯します。
p.6 前ページの回路を作製するために必要なパーツの仕様を設定します。先ずは、黄色のLEDを点灯するための抵抗値を決めます。LEDが2Vで20mA電流が流れるように計算すると50Ωとなります。51Ωの抵抗しか手に入らないので、51Ωを用いて消費電力を計算して1/4Wの抵抗を用いればよいことがわかります。 赤色のLEDに付随する抵抗も同じ仕様であることがわかります。
p.7 トランジスタのベースに付随の抵抗値を算出します。「ベース電流×直流電流増幅率(hFE)=コレクタ電流」という関係式より、ベース電流を求めます。 p.9の右図より、コレクタ電流20mAのとき、直流電流増幅率(hFE)は200となるので、ベース電流=20mA÷200=0.1mAと算出されます。ベース電圧は0.6V必要なので、ベース付随の抵抗には3-0.6=2.4V印加されます。よって、抵抗値は24kΩとなります。このようにパーツの仕様は1つ1つ順番に決めていくようです。
p.8と9 汎用のトランジスタ 2SC1815GRのデータシートです。上述の計算する際に活用できます。
以上、トランジスタを用いた電子回路について、少し理解が深まった気がしています。実際に工作すれば、さらに理解できるようになってくると思います。