プラスチックの機械的な特性には、「耐衝撃性」があります。定量的に測ることがことが難しい特性です。これについてまとめてみます。
資料はこちら → プラスチック基礎その3
p.1 耐衝撃性は3種類の評価法があります。①ひずみー応力線図の面積の大小関係で比較し、面積が大きい方が衝撃力が高いです。②破断するまでの伸びが大きいほど衝撃力が高いとします。③シャルピー衝撃試験装置を用いて測定します。赤枠部分に試験片を設置してハンマーを振り落として破壊する角度を測定します。資料片は、切り欠き(ノッチ)を形成しておきます。資料片の設置方法も予め決めておく必要があります。
p.2 耐衝撃性について、条件による衝撃性の傾向を表に示します。衝撃力が強い代表格としてPC、弱い代表格としてPSがあります。各々のシャルピー衝撃強さ[kJ/m2](ノッチあり)の値を載せておきます。 他の材質も同じ形状の試験片を作成して、評価していく必要がありますが、結果判断は相対的になります。
p.3 この他の機械的な特性として、硬さ、引っ掻き傷あるいは擦り傷のような評価項目もあり、JISで規定されています。評価装置もありますので、JISの詳細を読んで評価系を検討してください。
一通り、機械的なプラスチック特性をまとめてみましたが、実際に評価・正しく判断するためには、事前の実験計画をしっかり練って作成しておかなければならないと思われます。