先に紹介した池谷教授の「ココロの盲点」の中に、60歳以上の年配者を2つのグループに分けて単語を思い出させる試験をする話があります。グループ1には「これから心理テストを行います」と説明して、24個の単語リストを眺めてもらいます。グループ2には「これから暗記テストを行います」と説明して、同じリストを眺めてもらいます。 この後、両グループに別の単語リストを見せて、最初のリストにあった単語を全て挙げるように言います。 どちらのグループがより多くの単語を正しく挙げたか?という問題です。どちらだと思いますか?
20歳前後の若者に同様な試験を行った結果、心理テストグループと暗記テストグループでの正解率は同等でしたが、60歳以上の年配者では暗記テストグループが心理テストグループの半分の正解率だったそうです。 なぜでしょうか? 年配者は「歳をとると記憶力が落ちる」という自己暗示が効いてしまったためだそうです。 薬でプラセボ効果というものがありますが、これは効く方になる例ですね。
私は、大事な会議での報告、演奏会の前には「本番に強い、本番強い」と自己暗示をかけています。 皆さんも、是非、ポジティブな方向に自己暗示をかけましょうね。 先日、90歳のスーパーおばあちゃんが重量挙げしていましたが、並々ならぬ努力とポジティブな自己暗示をかけているのでしょうね。