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最適間隔は経済的損失で決まる

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校正方式マニュアルその2です。本日は、機器や設備の最適な点検あるいは修正間隔算出する計算式を説明いたします。式の導出を難しいと思われる方は、流し読みでOKです。またオンライン品質工学を学んだ方は、p.6からお読みください。

資料をご覧ください → 校正王式その2

p.1 点検修正間隔設定においては、経済的な損失を考慮する必要があります。点検や修正回数を増やすと点検費用が増加したり、製造停止のため生産性は落ちます。点検頻度を減らすと、故障が増加して修理費用や設備停止による費用損失が生じます。従って、x軸の左右何れの方向に移行しても金額に換算した損失は増加していきます。の放物線の極小になる部分が最適な点検/修正頻度になることがイメージできると思います。

p.2 オンライン品質工学の時に説明した図の再掲です。経済的損失L(y)は、特性値yから目標値mを差し引いた値の二乗に比例します。つまり、目標値mで極小となる放物線となります。横軸が特性値y縦軸がL(y)です。横軸がxではないので、ご注意ください。±Δが製造規格幅±Δ0が機能限界幅です。m±Δ0の場合は、顧客からクレームが来て全品回収となって高額の損失が発生する機能の限界値です。m±Δは不良発生の限界値です。縦軸は不良損失額です。一番下の式3)の形を覚えておいてください。

p.3 具体的な例で計算してみます。ある電子部品の機能限界100±5Vの場合に、6円/個で返品費用が発生するとします。不良に伴う損失が0.5円/個の場合、不良とする製造規格をいくつにすればよいかという問題です。100±1.45Vという結果が得られます。

p.4 両側規格の望目特性と片側規格の望大特性・望小特性の式を示しておきます。

p.5 ばらつき経済的損失の間の関係式です。(y-m)分散そのものです。

p.6 ここからが、本日の本題です。点検/修正時の経済損失は、点検コスト、修正コスト及び測定誤差による損失です。点検コストは、点検に要した費用Bを点検間隔内での製造数nで割った値です。修正も同様です。

p.7 測定誤差による損失は、文章で書かれており理解し難いので、絵に描いてみました。修正限界±Dの範囲外にある場合に、機器を修正することにします。修正限界内にある場合の特性の分散が一様であると仮定して放物線の斜線部の面積をならして黄色の長方形の縦軸の長さに換算します。/3が黄色の網掛の経済的損失L(y)のσに相当します。 右下の図をご覧ください。点検を4回実施、1回の点検間隔内でn個製品を製造します。点検時の機器の数値が徐々に上昇していき、4回目で修正規格Dを上回ったとします。修正してゼロにします。修正前回の修正から今回の修正までにu個製造しました。修正限界Dに達してから修正するまでの間に製造した数量は平均n/2程度、その際の機器の数値は平均D2と見積もられますので、分散は(n/2)×(D2/u)となります。

p.7 点検/修正時の経済損失は、上記3つの和で示されます。平均修正間隔u修正限界D2に比例する式を用いて、変数として偏微分方式をゼロとします。つまり損失Lが極小となるnとDを算出します。

いかがでしたか? 式の変形は大変ですが、点検/修正間隔は経済的な損失を考慮して決める必要があることだけ覚えておいてください。

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