将来に亘って恒常的に定められた品質の製品を製造する証明することを「バリデーション」と言いました。医療機器、医薬品に限らず全ての製品について言える概念であると思います。 どんな製品でも、出荷試験に合格したものが出荷されますね。定められた機能を全品検査するでしょうか? 全品検査は稀で、抜取試験することが大半だと思います。 かなり前から米国では、工程で決められた試験をもって出荷試験試験に替えることを提唱して来ています。 工程の中のキーになるポイントで全品検査する方が抜取試験よりは保証精度が上がることを期待している訳です。 バリデーションだけでは不十分で、継続的に工程で品質保証する方に軸足を移しているのでしょう。出荷試験に替わる工程内試験「RTRT(Real Time Release Testing)」の手段となる「PAT(Process Analytical Technology)」をご存知ですか?「プロセス解析工学」と日本語では訳されていますが、近赤外光分析などで薬剤の成分濃度をリアルタイムで分析する技術などを含みます。 分析装置、AIなどを組み合わせれば、将来、出荷試験に掛ける工数つまりコストを削減可能になるかもしれません。 その分、分析機も校正・保守費に費用が掛かりますが、人件費よりは少ないでしょう。 ただし、どの検査項目を出荷試験として利用できるかどうかは、予め「QbD(Quality by Design)」という手法で見極める必要があります。 なお、「デザインスペース」という言葉が出て来ますが、品質工学そのものですね。 分かり易い資料を見つけましたので、ご覧ください。 → https://www.nihs.go.jp/kanren/iyaku/20130918-drug.pdf
皆さんも、昔からのやり方を踏襲するのでなく、もっともっとより良い方法に脱皮しましょう。飛び越えるには多少苦労やエネルギーが必要ですが、明るい未来が開けるかもしれません。 その方が楽しいですよ。