弦の長さが半分になると音が高くなりますね。 下の図を見てください。一番上の弦を弾いた時の音を基音と呼びます。弦の真中を指で押さえた場合、左側の弦を弾くと周波数が基音の倍になり高い音になります。3番目のように左から3分の1のところを指で押さえて、左側を弾くと周波数は基音の3倍になり、さらに高い音になります。 このように2以上の整数倍(2,3,4……)の周波数の音を「倍音」と呼びます。 例えば、「ド」の音は「C(ドイツ語でツェー)」と呼びます。ピアノの真中のドがC3で周波数は131Hz(A=440Hzとした場合:Aはラの音)、1オクターブ高いC4は262Hz、もう1オクターブ高いC5は523Hzです。
弦を弾いた時、主に一番上のように弦は振動しますが、指で押さえなくても2番目以下の振動も含まれます。 この状態「倍音」が一緒になり、単一の音より深みのある音になります。低音楽器の方が、倍音を含みやすいことはこの図からもわかりますね。高音楽器は、上の図の下の方が基音になりますので、倍音が少なくなります。
これをピアノで実験している動画です。 → https://www.youtube.com/watch?v=UrsM7i55wNw
周波数アナライザで、いろいろな楽器の音のスペクトルを計測している動画がありました。
動画はこれです。音も聞いてみてください → https://www.youtube.com/watch?v=IznhFxMHrx8
このスペクトルを資料にまとめてみました。 → 倍音
C4のドの音を鳴らした時のスペクトルです。これを見ると、
- クラリネットが以外と倍音が少ないです。
- さすがホルンやチェロは倍音が大きくでています。深みのある音ですからね。
- チェンバロは低い音から高い音まで広範囲に出ています。 インドのタンプーラという楽器も同様です。
- チューブラー・ベルはなり終わってから倍音が残響として聞こえます。
- 打楽器は全て周波数が含まれていますので、ノイズの波形に似ています。
- 赤ちゃんはノイズを聞くと安心して寝るそうです。母親の羊水中の音に似ているからだと言われています。川の流れの音を聞いて安らぐのもそのせいかもしれません。
- リヒャルト・シュトラウス作曲の「ツァラトゥストラはかく語り」の冒頭のスペクトルです。トランペット演奏の部分は倍音が良く出ており、全楽器が鳴っているトゥッティーでは、周波数の全範囲にわたっています。
原曲はこちら → https://www.youtube.com/watch?v=91173MqgohI
冒頭は、映画化「2001年宇宙の旅」で有名になり、よく聞きますが、この続きも結構いいですよ。全曲聴いてみてください。