年末は宝くじを購入する方もおられると思います。私はくじ運がないので、購入したことがありません。宝くじは確率の計算の引き合いに出されることが多いですね。出資額に対してどれだけ平均のリターンがあるかは期待値を算出すればよいことはご存知だと思います。期待値が同じで、一等が当たらないリスクはどう評価すればよいでしょうか? 分散あるいは標準偏差を用います。
資料をご覧ください → 宝くじ
p.1 一等から六等までの賞金金額xi、当選本数および当選確率piの数値を表にまとめておきます。一本300円の宝くじを購入した際、平均的なリターン額が期待値です。表の下の計算式で算出すると142円となり、出資額300円のほぼ半額がリターン額となります。右側のグラフは、賞金金額に対する当選確率を示しています。期待値が赤線です。 次に、分散および標準偏差を算出します。標準偏差σ=104,954円となります。グラフの横軸は対数目盛であり、この事例の確率分布は正規分布でないので、標準偏差をどの部分に描くか難しいのですが、矢印で示しています。
p.2 2つの宝くじについて、出資するリスクがあるか無いかを判断する際に分散あるいは標準偏差を判断基準として用います。下の表は赤字の部分の数値を変えています。賞金総額あるいは期待値を同じとし、一等および一等前後の当選者数を増やしました。賞金総額を等しくするために、賞金額は減じています。この結果、標準偏差は2.5倍差が生じました。期待値は同じでも、上の表の方が一等が当たらないリスクが2.5倍上昇することことがわかります。 いろいろな宝くじがありますが、期待値だけでなく標準偏差を見てリスク評価することも必要ですね。
以前、投資に関するリスクとリターンの話を取り上げました。「リスクとリターンどちらを選ぶ?」をご覧ください。