抜取検査で登場するOC曲線について、「悩ましい抜取検査数の設定」で取り上げましたが、計量値のOC曲線について補足しておきます。
資料はこちら → OC曲線その2
p.1 P0:生産者がなるべくそのロットを合格とさせたい不良率の上限、P1:消費者がそのロットを不合格にさせたい不良率の下限とします。P0がAQL(Acceptance Quality Limit)、P1がLQL( Limiting Quality Level: 限界品質水準)、LTPD( Lot Tolerance Percent Defective:ロット許可不良率)あるいはRQL( Rejectable Quality Level:不合格となる品質水準 )であるとも言えます。RQLは統計ソフトMinitabで用いられる語句です。 合格・不合格品の分布図で表すと、生産者危険が第1種の誤りに、消費者危険が第2種の誤りに相当します。 通常、生産者危険は5%が目安、消費者危険は0~10%が目安とされています。
p.2 通常OC曲線は、横軸に不良率にしますが、計量値でも描けます。基準濃度10mg/Lとした時に合格品の分布と不合格品の分布を上図に示します。基準値10mg/Lを超えた合格品のピンク色の部分は不合格と判定される可能性があります。これが第1種の誤りです。不合格品の分布の内、赤い領域は合格にしてしまう可能性があります。これは第2種の誤りです。下図がOC曲線です。縦軸は、合格率です。サンプリングした濃度が基準値10mg/Lと同等の場合は、合格/不合格が五分五分の合格率は0.5となり、抜き取った濃度が9mg/Lの場合は、合格率0.841になります。1-0.841=0.159が不合格となる生産者のリスクです。10mg/Lを超えた場合は、不合格品にも関わらず合格にしてしまう消費者のリスクです。