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モデル化は難しい

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数理とデータで読み解く日本政治」(著者:浅古泰史 他 発行所:日本評論社)を紹介します。「数理とデータ」と書いてあるので、読み始めましたが、今まで好んで読んできた理系の本とはかけ離れた政治の話でした。ただ、ところどころに数式が登場してきます。今回は、投票参加に関するモデル式を取り上げます。

選挙の投票の合理的参加モデルとして、ライカー等は、R=PB−C +Dという式を提唱しています。Rは有権者が投票参加により得られる報酬(Reward)Pは自身の投票参加が選挙結果を左右する確率Bは投票参加により得られる利得Cコストで投票所までの距離や投票日の天候が及ぼす機会コストや候補者が多く政策・争点が複雑な情報コストD は投票に対する義務感です。実際はPBは非常に小さい値なので、−C +D大きく寄与することになります。最近、投票率を上げるために、大学・ショッピングセンター・駅構内などでの期日前投票、過疎地では巡回車の選挙所などの対策が打たれています。つまりC値を低減しています。あとは、いかにD を上げる対策を打てるかが投票率アップの鍵になります。投票に行かないと罰金が取られたり、名前を公表する国もあるそうですが、日本はそうなっていません。以前、高齢者の義務感は高かったと思いますが、最近は、誰が政権を握っても政局は変わらないという諦めのためか、義務感が低下してきているのではないでしょうか? 上述の式に「期待感」という項目を足したらどうかなと思います。この「期待感」を高めてくれる政治家が登場すれば投票率が上がるという式です。物理的な現象とは違い、人が絡む複雑な政治の現象をモデル化するのは難しいですね。AIであれば、どんな式にするでしょうか?聞いてみますか。

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