トピックス 実験計画

相手を知らないと判断できない

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どちらが有益実験計画法より品質工学の方がわかりやすいという話をしましたが、実験計画を完全に理解しているわけではないので、改めて「よくわかる実験計画法の基本と仕組み」(著者:森田 浩 発行所:秀和システム)を図書館から借りてきて勉強しています。今までの本の読み方だと、最初からしっかり読んでしまい、肝心なところまでいく前に飽きて積読になるのが落ちでした。第1及び第2章は統計的手法の基礎なので、超特急で拾い読みするだけにしました。本は、読みたいところから読み始めるのがベターです。今回は、二元配置分散分析の復習をしています。この分散分析の考え方が、実験計画法や品質工学の根本原理なのです。

資料はこちら → 二元配置(実験計画)

p.1 二元配置分散分析を理解するには、統計ソフトに任せずに手作業で計算してみることをお勧めします。先ずは、左上の表のデータを用います。要因Aが3水準要因Bが2水準のデータです。水準毎の合計平均値を計算します。今回の計算に、修正項CTが何回も利用されます。全てのデータの合計を二乗してデータ数で除した値です。ST全変動と呼ばれ、各データから平均値を引いた値の二乗を合計したものです。この値をデータ数で除したものが分散ですね。このSTは、データの二乗の合計値からCTを差し引いて計算できます。誘導しておきましたので、ご覧ください。SA及びSBが各要因の水準毎の合計の二乗の平均足し合わせてCTを引いた値です。SAB繰り返しデータの合計を二乗して平均した値の和からCTを引いた値です。SA✕BSABSASB誤差変動SE=STSABです。各項目の自由度φを括弧内に記載しました。ST、SA、SBの自由度は(構成要素−1)、SA✕Bの自由度はSASB自由度の掛け算です。SEの自由度はSTからSA、SB及びSA✕Bの自由度を引いた残りです。右下の表の「S(平方和)」と「φ(自由度)」に計算結果を代入し、分散= S(平方和)/ ϕ(自由度)F(分散比)=V/VE(誤差の分散)そしてp値はExcel関数「=F.DIST.RT(F(分散比), 該当の自由度, 誤差Eの自由度)」で求めます。 Excelの分析ツールで「分散分析:繰り返しの有る二元配置」で計算した結果が右上表です。手作業と同様になります。

p.2 交互作用がない左上のデータでp.1と同様に手計算と分析ツールの結果を載せています。説明は省略します。

p.3 要因ABの間には交互作用がないと確認された場合、上の表(p.2の結果)のようになっています。A✕Bp値を見ると、0.893>0.05なので、AとBの交互作用は認められないとなります。この場合は、交互作用の項を誤差にプーリングしてまとめます。S(平方和)φ(自由度)にA✕Bの2を加算してA✕Bの行は削除して計算し直します。この結果、要因効果Bのp値が、プーリング前:0.057プーリング後:0.029となり、有意であるに変化しました。プーリングの判断目安は、 F(分散比)≤  または  p値≥0.2 だそうです。

今回のExcelファイルです → 二元配置分散分析(実験計画)

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