お薦めの本 トピックス 物理

どちらを向く?

投稿日:

宇宙する頭脳」(著者:須藤 靖 発行所:朝日新聞出版)を読んでいたら、「対称性の破れ」の章に、面白い話が載っていましたので、紹介します。

資料をご覧ください→ 宇宙する頭脳より

p.1 以前、牛や鹿が地磁気を感じているという話を「第6感~磁気~腸~第2の脳 ?」で取り上げましたが、上述の本に論文名が紹介されていましたので、早速調べてみました。詳細は、→https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.0803650105をご覧ください。牛、ノロジカアカシカ草を食んだ休んだりしている際の向きの平均をベクトルで表しています。円内側のが観測された数です。アカシカは事例数は少ないですが、ベクトルの長さは長く、牛はばらつきがあるのでベクトルの長さは短くなっています。それでも反芻動物は地磁気を感じているようです。この事象を確認するために、高圧電線近くで観察すると、電線による磁力線により、地磁気方向からズレた方向を向くようです。

p.2 ノーベル賞を受賞された南部陽一郎博士は、「対称性の破れ」を「円卓のナプキン理論」で説明されたそうです。自分の左右にナプキンが置かれている場合に、左右どちらをとるかの確率は半々ですが、例えばAさんが左のナプキンを取れば、他の人も左、右を取れば右となります。この時、対称性が破れたとなります。難しい概念も、このように説明してくれると理解し易いですね。

-お薦めの本, トピックス, 物理

Copyright© 進化するガラクタ , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.