「最適な検査頻度」「最適な校正頻度」の算出と似た考え方で、「最適な発注量」を算出する方法を説明します。ここでは「最適な発注量」を「経済的発注量(Economic Order Quantity: EOQ)」と呼びます。
資料をご覧ください。 → 経済的発注量
p.1 横軸が発注数量/回、縦軸が費用です。同じ所要量であれば、1回の発注量が少なければ回数が増えるので費用が増大し、1回の発注量が多ければ費用は低減しますので、反比例のグラフになります。発注量の増大に伴い、在庫費用は直線的に増大します。総費用=(発注費用)+(在庫保管費用)の最小値の発注数量が「経済的発注量Q」です。この「経済的発注量Q」は、左下の算出式で計算します。なお、「まとめ発注による単価低減」や「取引単位に規制、支払い条件」については、考慮していません。
p.2 「経済的発注量Q」の算出式を導出します。前ページの直線と反比例曲線の交点が、求める「経済的発注量Q」です。Qでは、(1期当たりの発注費用)=(1期当たりの在庫保管費用)です。平均在庫量=Q/2としています。右下のグラフをご覧ください。Qで入庫した在庫は右肩下がりに減少して、ゼロになったら発注することを繰り返します。Qを2で割って平均在庫量とします。 上述の等式をQについて解くと、「経済的発注量Q」の算出式となります。
感覚的な数量管理ではなく、このような定量的な数量管理を導入していきたいものです。まとめ発注の単価低減などの因子がある場合は、補正をする必要があると思われます。