「よくわかる最新 有機化学の基本と仕組み」(著者:斎藤勝裕 発行所:秀和システム)が図書館の新刊本から借りてきて、しばらく積読にしていました。たまたま大学時代の教科書を漁っていたところ、有機電子論という本が出てきたので開けてみたら、上述の本と似たような内容が書かれていました。当時、有機化学は覚えることが多く苦手でしたが、反応機構が電子のやり取りで説明できることには興味を持っていましたので、上述の本でもう一度勉強し直してみようと思います。
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p.1 炭素は電子が6個あり、原子核に近い1s軌道に2個、その外側の2s軌道に2個、その外の2p軌道に2個となります。炭素の結合手は4本、3本及び2本のパターンがありますね。4本の場合は、1つの2s軌道と3つのp軌道を足して4で割って等価の結合手になります。この4つの等価な軌道をsp3混成軌道と呼びます。炭素を中心とした正四面体の構造となり、頂点に水素が結合したものがメタン(CH4)です。 結合手が3本の場合は、1つの2s軌道と2つのp軌道を足して3で割ったsp2混成軌道になります。混成軌道に1個ずつ電子が入ると1個余りますのでp軌道に入ります。3つの結合手は等価なので、平面上に120°に配置されます。2セット同様な炭素があると1つのsp2混成軌道どうして結合しσ結合となります。p軌道の電子同士がπ結合を生成し、炭素間は2重結合となります、代表的な化合物としてエチレンがあります。
p.2 炭素の結合手が2本の場合です。1つの2s軌道と1つのp軌道からsp混成軌道ができますが、余った2個がp軌道に入ります。2セットの炭素があると直線状に結合して互いに垂直なp軌道の電子が各々π結合を生成しますので、炭素間は3重結合になります。代表的な化合物はアセチレンです。
p.3 窒素の電子は炭素より電子が1つ多いですね。炭素と同様なsp3混成軌道を生成すると1つの混成軌道には電子が2つ入った非共有結合になります。正四面体の3つの頂点に水素が結合して、残りの1つは非共有結合となります。代表的なものはアンモニアです。 酸素の場合はさらに電子が1個増えますので、sp3混成軌道の2つが非共有結合となります。酸素は2本の結合手と2つの非共有結合です。アルコールやエーテル内の酸素の状態を表しています。
p.4 炭素と酸素の結合を同様にみると、炭素ー酸素間はσ結合とπ結合の2重結合となります。酸素には非共有結合があります。有機化合物には、ケトンR2C=O、アルデヒドRCH=0あるいはカルボン酸R(C=O)OHがあります。
p.5 炭素ー窒素の結合も同様にみると2重結合と窒素に非共有結合があることがわかります。
今回上述の本を読んでみて、40年以上前に学んだことが直ぐ蘇りました。少しでも勉強しておけば、理解のスピードも速くなります。